では東京都が行う防犯対策について、23区各区の具体的な取り組みを紹介していきたいと思います。
足立区
景観・環境の美しい街は犯罪被害が少ないといわれていることを
受け、「ビューティフル・ウィンドウズ」というスローガンを掲げて
区の環境改善に努めている。ニューヨークで犯罪率が高い地域に
割れたガラスが多いという理論ブロークン・ウィンドウズをもじったもの。
一環として地域での防犯活動を支援している。
地域防犯活動助成金制度があり、
防犯パトロール活動に必要な道具(ベストや腕章、帽子、たすき、誘導灯などの)の購入費を助成している。
アパート・マンション等の集合住宅の管理組合・法人、自治会など
住人組織や賃借住宅のオーナーには街角防犯カメラ設置費用補助金を支給している。
上限は50万円。
また、「まちの防災判断」とし専門家と地域の住民が一緒に
まちを歩き、どのようなところに防犯上の問題があるかを確認していくシステムも。
荒川区
地域防犯についての情報がサイトで一元管理されており、見やすくまとまっている。
荒川消防署、尾久消防署と「安全安心都市実現のための覚書」を締結。
また「防犯都市宣言」も行っている。
空き巣対策のため、荒川区の販売店や設備業者からの防犯対策グッズの購入や
住宅設備の修繕を行った場合、費用の一部を助成する制度がある。
上限は5000円で鍵の交換・補助錠の取り付け・防犯フィルムの貼りつけなどが対象。
また区内の商店会や町会には暗がり対策補助として、センサーライト設置費用等の補助を行っている。
設置場所によって限度額が異なり、
照明の他にも剪定や看板作成など区長が防犯対策として認めたものに対しても補助が受けられる。
パトロールに使用する資材に対する補助もある。
町会・自治会・PTAといった地域団体が防犯に関する勉強会等を実施する場合に、
区から防犯アドバイザーを派遣して、地域の防犯力と防犯意識を高める支援を行っている。
板橋区
防犯・防災・危機管理情報として情報がまとめてみることができる。
「いたばし生活安全都市宣言」を行い、区民ひとりひとりの防犯意識向上に努めている。
24時間体制のパトロール体制を構築するため、
ボランティア団体によるパトロール活動が困難な午後9時から午前4時まで、
委託業者が区内各地を青色回転灯装備車両3台にてパトロール活動を実施している。
また板橋セーフティーネットワークを構築し、
区内で業務を行う団体や業者が区内を車で巡回中、
通常の業務に加えて防犯の観点を加えることにより、犯罪の抑止効果をねらう。
江戸川区
平成15年に安全・安心まちづくり運動大綱策定して以来、
区民・区・警察などの機関が一体となった取り組みが功を奏した。
区内の犯罪件数は9年連続減少し、2年連続で1万件を下回っている。
区の庁用自動車に「安全安心パトロール」と書かれたマグネットシートを貼り、
区内を走行することでパトロール効果を狙う。
午後6時〜翌午前5時の時間帯は委託を受けた警備会社がパトロールを行っている。
防犯パトロールの手引も配布している。
独自にパトロールを行う団体や地域団体や配送業者・おこめやさんや
愛犬家が散歩中に防犯の観点で街を見守るなど、
住民全体の防犯意識の向上に効果をあげている。