住宅に侵入されやすい東京での防犯対策

東京の防犯対策

東京都内での住宅侵入認知件数は5543件(2011年 警視庁発表)で、全国で3位の多さです。
侵入者はどのような経路を辿るかというと、マンションと戸建て住宅で大きく異なります。
マンションの1階では、最も多いのが玄関出入り口(60%)、次の多いのがベランダ・居間の窓(35%)からの侵入です。
そして、2階以上では、玄関出入り口(90%)となります。
マンションの防犯対策をするのなら、玄関入り口を重点的に行い、次いでベランダや窓といった侵入可能な経路を遮断する必要があります。
玄関の侵入方法は、ほとんど解錠となり、一頃騒がれた玄関の物理的な破壊によって侵入する錠破りは、5%にも満たさないものです。
従って、解錠に対する対策をした鍵を設置するだけでも、ほぼ全ての玄関からの侵入を防いでいることになります。
ベランダ・居間の窓の侵入方法は、ガラス破りと閉め忘れによるもので、これは戸建て住宅と同様の対策をとる必要があるでしょう。
戸建て住宅では、マンションとはまったく別の侵入経路となります。
玄関からの侵入は僅か15%に過ぎず、ほとんどが台所・トイレ・浴室・居間の窓・勝手口からの侵入です。
そして、1階からの進入が90%以上を占めます。
2階以上であるなら人目に付きやすく侵入困難という事情もあるでしょうが、これは1階の方がより侵入が容易になっているケースが多いからです。
塀が高い家では、人目が遮られるため、しばしば狙われるとの指摘がなされます。
高い塀は家屋内が見えずプライバシーは守れるのですが、一方で侵入者の呼び水となっているのです。
そして、侵入方法のほとんどが、ガラス破りや閉め忘れで、90%にも及びます。
つまり、戸建て住宅で防犯対策をとるのなら、当然玄関は必要ですが、それに加えてあらゆる侵入経路に、ガラス破りを防ぐ手立てを施す必要があるのです。
ガラス破りを防ぐ手立ては、侵入者になったつもりで考えると簡単に知ることができるでしょう。
主な侵入方法は3つあります。
すなわち、

侵入方法

1)マイナスドライバーをガラス枠に数回当ててガラスを破壊する「こじ破り」。
2)ハンマーでガラスを直接的に割る「打ち破り」。
3)温度差を利用してガラスを破壊する「焼き破り」です。
侵入者が避けたいことは、破壊時間が延びること、そして破壊時の音です。
破壊時間を延ばす目的で利用されるのが、防犯フィルムになります。
物体なので、最終的に破壊されることは間違いありません。
しかし、通常「こじ破り」は破壊まで数回の打撃を加えるだけで10秒程で済むものを、防犯フィルムによって数分に伸ばすことができるのです。
もちろん「打ち破り」や「焼き破り」にも効果を発揮します。
そして、ガラスが割れるときの音は大きくできませんので、代わりに防犯機器を設置することで対策が可能です。
ガラス窓が開くと自動的に高音領域の大音量を鳴らす機器があり、最近のものでは開けなくともガラスに振動が加わっただけで、警告音を鳴らすものもあります。
こうしたものは、侵入者の目にも留まりますので、心理的な抑止効果にもなりえるでしょう。