どんな街を目指せばよいのか

目指す都市の形

東京都と連携した防犯対策をとっている23区。
大半が防犯に関するガイドブックなどを用意し、区役所で配布したり、サイト上でPDF配布しています。
それらのガイドブックなどに掲載されている内容についてまとめてみました。
まず、空き巣などの被害に遭いやすいのはどんな地域なのでしょうか。
検挙された窃盗の被疑者からとったアンケートの情報などを元に
どんな地域で犯行に及んでいたかなどを説明しています。
内容はおおまかに言って、下記の3点でした。

①住民が“よそ者”である被疑者本人を気にするそぶりを見せていたか
②住人同士が挨拶を交わすなど、地域の連帯感があるか
③人通りが多い地域かどうか

そのほかにも、子供が道で遊んでいたり、住民が立ち話をしている
ところや住民から挨拶をされたり、じっと見られるようなところでは
犯行を避けるという結果が出ているそうです。
これらをチェックしたうえで、
周囲から侵入と逃走を目撃される可能性がありそうか、
犯行のあと逃走しやすい道路形態であるかどうかなどをチェックします。
住宅街から1本抜けると幹線道路だったり、
人通りが多い通りにでるような場合や裏通りが多い地域は、逃走がしやすいのだそうです。
人ごみの中に素知らぬ顔をして窃盗犯が潜んでいると考えると怖いですよね。
また大小の通りが雑然と交差しているような地域も要注意です。

住環境の整備

街路樹などで見通しが悪かったり、死角があるところも同様です。
区によっては防犯灯や防犯カメラの設置以外にも街路樹の剪定にも
補助金を出しているところもあります。
また住環境の整備をすることが防犯効果を生む、
というスローガンを掲げている区もあります。
整然とした雰囲気・美しい街においては、
こうした場所に似つかわしくない不審な徘徊・下見行為がしにくいからなのだそう。
とはいえ、東京23区内には古くからある街並みが残っている下町情緒のあふれるところもあり、
そうした地域でいまから道路整備をしたり、不釣り合いにこぎれいな街にしても、
それはそれで街の景観を損なってしまうと言えますよね。

では、こうした雑然とした下町ではやはり被害が多いの?
という疑問が浮かびますが、実際は違います。
こうした住民同士や地域警察署とのつながりが強い街では
見知らぬ不審な人物が徘徊していると目立つ環境であったり、
怪しいなと思ったら声をかけるなど住民の防犯意識が高いため、
犯罪発生件数が年々減少しているところが多いのです。
さらに小さな子供が多い地域では登下校の時間を中心に父兄の他に、
比較的自由な時間が多い定年退職したかたなどが中心になって
パトロールを行っていたりします。
それ以外の深夜帯には警備会社に委託してパトロールを行う区も
あり、まさに泥棒が活動する時間のスキを与えていません。

地域住人同士の交流がコミニュティとなり、
連帯意識が生まれ住みよい環境を作り出し、
その結果として泥棒が嫌われる街になっていく。
23区内の防犯活動はこのような地域のつながりを重視した体制から生まれているようです。